家を現金で一括購入する!?住宅のプロがオススメしない理由
こんにちは。
今年もゴールデンウイークが始まりますね!
例年だと家族で旅行の計画を立てるんだけど、今年は家で何をしようか?どのように過ごそうか?
考えてるんだけど・・・。なかなか良い案が思いつかない。
1つだけ決めてること。チビの自転車乗りの練習。これだけは決めてます。
僕が小さい時は補助輪を1つ外して練習したけど、現在では全く違うんですよね~。
全部一気に外して練習。
確かに補助輪を1つだけ外す。って危なかったような。
それでめちゃくちゃコケまくった タカシマ です。
世の中には現金で家を購入する方も少数ですが存在します。
住宅業界に入って20年。
思い返してみると4,5組の方が現金で購入されました。
今の時代だと、どれくらいの割合なのかな?
気になったので調べてみました。
このようなデータを見つけました。
2017年のデータになりますが、現金で購入する方は全体の8.7%の割合。
贈与や相続も含めると結構な割合になります。
今回は、そんな現金で家を一括購入した方がいいのか?
それとも、住宅ローンを活用して家づくりを進めた方がいいのか?
このように迷ってる方の疑問に答える記事です。
現金で家の購入を検討している方、贈与や相続で大きなお金を譲り受ける方は参考にして下さいね。
家を現金で一括購入する!?住宅のプロがオススメしない理由
僕が思うに現金で家を買うメリットは昔に比べて少ないって感じます。
その理由は「低金利」です。
昔は金利が高くて・・・バブル時代は8%の時代もありました。
金利が高い時代に住宅ローンを多く借りると、総返済額は高金利の影響で凄い額になります。
そんな時代は借入するよりも、現金で家を買った方がメリットが大きい。
逆に高金利のローンを利用すると、払っても払っても元金が減らない・・・。
現金で家を買うメリットはコチラ。
「総返済額」です。
まずは、聞きなれない総返済額について紹介しますね。
総返済額が最大のメリット
現金で家を買うメリット。
それは、金利を支払う必要が無いから安く家を買う事ができる。
この部分です。
例えば、3000万円の家を35年返済で購入します。
・現金で購入する場合→金利の影響なし→3000万円で購入
・35年間で金利1.5%の場合→35年後の総返済額→約3800万円
・35年間で金利3%の場合→35年後の総返済額→約4700万円
現金で購入する場合は3000万円で購入する事ができます。
でも、住宅ローンを借りて家を購入すると3000万円に金利が上乗せされます。
その結果、金利が1.5%の場合では約800万円分を金利で支払う事になります。
3%まで上昇すると約1700万円も違います。汗
ここまで違うと結構な差額です。
金利を含めたトータル金額を「総返済額」って呼ぶんですね。
金利の影響を考えて、現金を使う割合を考える事が重要ですよね。
バブル時代の8%を考えると恐ろしい時代だった事が解ります。
現金で家を買うデメリット
金利が高い場合は現金で家を買うメリットが大きい事が解りました。
でも、現在は低金利。さらに最長35年間という長期で借りる事ができる住宅ローン。
住宅ローン以外に35年間、40年間という長期で借りる事が出来るローンってありますか?
僕は住宅ローン以外は知りません。
低金利の時代は住宅ローンを賢く利用する事も大事な考え方だと思います。
住宅ローンを利用しない場合のデメリットをご紹介します。
住宅ローン控除が利用できない
一番のデメリットはコチラ。
住宅ローン控除を利用する事ができない。
この部分。
住宅ローン控除とは10年間ローン残高4000万円の1%まで所得税・住民税が毎年還付される制度です。(2021年末までは13年間に延長)
「この制度は住宅ローンを10年以上利用している」が条件になります。
現金で購入する方は住宅ローン控除を使う事ができません。
現金で一括購入できる方は・・・。
所得も高い可能性が十分にありますよね!
所得が高いと所得税や住民税も多く納付しています。
所得税や住民税の納付金額が大きいと、この住宅ローン控除の恩恵も大きくなります。
住宅ローンを賢く利用すると10年間で数百万の節税になります。
ここは是非!利用して欲しいな~。って思います。
貯金があると不測の事態にも対応できる
住宅は高額な買い物です。
現金で一括購入をする場合には、何千万円という大きなお金が必要になります。
お客様の貯金額にもよるけど「何千万というお金を支払って貯金に余裕が無くなる」これは問題です。
住宅を購入した後に何か不測の問題が起きた場合。
例えば、病気になる。
子供の教育資金。
リーマンショックのような経済の停滞。
リーマンショックは凄かったですよね。汗
思い返しても震えます。
もしも、現金で家を購入したけど教育資金にお金が必要で・・・
仕方なく教育ローンに頼る事になった。
これでは、現金で家を購入した意味がありません。
将来も考えながら現金を運用できるといいですよね!
→年収500万円の家族が家を購入した場合をシュミレーションしてみました。
考えられる部分で将来をシュミレーションする事は大事ですよね。
この記事も参考になるので、読んでみて下さい。
団体信用生命保険に加入できない
住宅ローンの金利の中には死亡保険も含まれています。(住宅ローンの商品にもよります)
この保険を「団体信用生命保険」といいます。
この保険は、住宅ローンの返済中に亡くなったり、特約に加入していれば病気になった場合に住宅ローンの残高が0円になる保険です。
住宅ローンを組む事で、大きな死亡保険に加入する事にもなります。
その場合に住宅ローンを組み団信に加入していると・・・
3000万円の残高は団信により完済されます。
そして、貯金と加入している死亡保険で家族に余裕を残す事ができます。
3000万円の現金で購入した場合には、ローン残高は残る事はありません。
しかし、3000万円を貯金から出しているので、3000万円減った貯金と死亡保険を家族残す事になります。
この差は大きいですよね。
健康で何も無いの事が1番なんですけどね。
この仕事を長くしていると色々なケースを経験してきました。
このような考え方もある。って事だけ理解して下さいね。
10年間だけでも住宅ローンを利用する
この低金利時代だからこそ提案したい事があります。
それは・・・・
10年間だけでも住宅ローンを活用してみては?
無理にとは言いません。
でも、10年間だけでも住宅ローンを活用する方法もありだと個人的には思います。
10年間だけでも住宅ローンを使った方がいい理由を解説してみます。
住宅ローン控除を上手に利用する
やはり1つは住宅ローン控除を活用する事。
僕も住宅ローンを返済中ですが、年末に還付される所得税・住民税には本当に助かっています。
現金で一括購入される方は所得が高い場合が多いです。
この控除を使う事により、節税にもなると思います。
簡単な計算ですが・・・
3000万円を借りて、返済が始まります。
翌年の住宅ローン残高は2900万円でした。
2900万円の1%が還付されるので、29万円が貰える事ができる最大枠です。
この29万円以上に税金を支払っている場合には、29万円が支給されます。
これが10年間も還付されるので、何百万円という還付額になる訳です。
この住宅ローン控除は景気の回復政策の1つです。
昔は所得税のみ還付の時代もあったり、15年間還付されてた時代もあったり。
内容が時代によって変わります。
景気がよくなれば終了する可能性もあります。
内容が変わる点も合わせて覚えておきたいポイントです。
繰り上げ返済を活用する
住宅ローン控除を受け取った10年後に繰り上げ返済をする。
繰り上げ返済をご存知でしょうか?
35年間の長期間の住宅ローンを組んでいたとしても、借入額の全額や1部を返済するを言います。
通常の返済では、返済額に利息分も含まれていますが、繰り上げ返済の場合は全て元金に充当されます。
その効果により支払う利息を軽減する事ができます。
例えば、3000万円を1番安い2年固定や3年固定の商品で35年間返済で借ります。
今回は3年固定金利で0.6%。
10年後に必要な利息は、約140万円。
住宅ローン控除の還付額の方が大きくなる可能性が高いんです。
このように所得によっては、住宅ローンを活用した方がお得な現象も起こります。
まずは、シュミレーションしてみる事が大事ですよね。
低金利と35年間という期間を利用する
このように10年間だけ住宅ローンを活用する事を提案できる。
その一番の理由は「低金利」
さっきから何回も言ってすいません。汗
でも、それぐらい金利は大事なんです。
そんな安い金利を35年間という長期で借りる事ができる。
これは、住宅ローンしか僕は知りません。
他にもあったらすいません。
住宅ローンは家の購入にしか使う事ができません。
後から活用したくても無理です。
家づくりと合わせて、住宅ローンを考える事は凄く重要な事なんですよね!
最後に
最後まで読んで頂きありがとうございます。
今回は現金で家を購入する事をオススメしない理由を書いてみました。
でも、それ以上に現金がある方には参考にならない事かもしれません。
1つの参考にして住宅ローンを賢く活用する。
このような方法もあるんだ。って事だけでもヒントになれば嬉しいです。
良かったら参考にして下さいね。